買い物リストは、もうあった
iPhone の標準のメモアプリに、買い物リストを作っていました。
チェックリストにして、なくなったものを足していく。よくあるやり方だと思います。
しばらく使っていて、困ったことがあります。リストが長くなる。
牛乳、卵、洗剤、ゴミ袋、電池、醤油、米……。
そこに並んでいるのは「うちで買うもの」であって、
今日買うものではありません。
今日スーパーで買うのは、そのうちの5つくらいです。
でもリストには20個並んでいる。
どれが今日の分なのか、店の中で毎回思い出すことになります。
チェックを付けてしまうと、次に買うときに全部外さないといけない。
かといって別のリストを作ると、元のリストと二重管理になります。
リストを作るのは、もうできていた。
できていなかったのは、そこから今日の分を選ぶことでした。
持ち物リストでも、同じことが起きた
旅行の持ち物リストも作っていました。これも同じです。
今回の旅行は一泊だから、いつも持っていくもののうち半分は要りません。
リストを見ながら「これは今回いらない、これは要る」と頭の中で選ぶ。
選んだ結果はどこにも残らないので、荷造りの途中で「あれ、入れたっけ」となる。
そして、逆のこともあります。
法事で出かけるとき。
数珠、黒いネクタイ、袱紗。ふだんの旅行では絶対に持っていかないものが要ります。
いつもの持ち物リストには、当然、載っていません。
このとき欲しかったのは、
いつものリストから今回の分を選んで、そこに今回だけのものを足せる場所でした。
いつものリストは、いつものリストのまま残しておきたい。
それで作りました
「目録(もくろく)」という iPhone アプリです。
考え方は単純で、2階建てにしただけです。
- 目録 — ふだん買うもの・持っていくものを貯めておく場所。減りません
- 控え — そこから今日の分を選んで作る、その日かぎりのリスト
目録は材料置き場で、控えが実行です。
控えにいくらチェックを付けても、目録は元のままです。
だから、いつものリストをいつものリストのまま使い回せます。
法事の例なら、「旅行の持ち物」の目録から今回いるものを選んで控えを作り、
そこに数珠と黒いネクタイを足す。いつもの目録はそのままです。
次にまた持って行きそうなものは、目録にそのまま残すこともできます。
メモに書いたリストは、貼り付けるだけで移せます
ここが大事なところで、リストはもうある前提に立っています。
標準のメモアプリで作ったリストを全選択してコピーし、
目録に貼り付けると、そのまま項目になります。
メモの「共有」ボタンから「目録」アプリにそのままデータを送ることもできます。
行頭の「・」やチェックボックス、「1.」のような連番、①②③は自動で落ちます。
同じものが二度書いてあれば、片方だけ残ります。
「・牛乳」という名前の品物ができてしまう、という事故は起きません。
新しく作り直させるアプリにはしたくありませんでした。
リストを作る手間は、もう終わっているからです。
タップした順が、今日の優先順位になります
目録から選ぶとき、タップした順に 1, 2, 3… と番号が付きます。
この番号は、そのまま控えに引き継がれます。
売り場の順番には、あえて並べ替えていません。
買い物リストアプリの多くは、店の順路に沿って並べ替えてくれるかもしれません。
効率を考えれば、そちらが正しい。
でも私が欲しかったのは、全部は買えないかもしれない日のための道具でした。
時間がない日。品切れの日。荷物がもう持てない日。
そういう日に効くのは順路ではなくて、
「今日ないと困るから、必ず確保する」という順番のほうです。
チェックを付けると、その項目は下へ沈みます。
次に取るべきものが、いつも一番上にあります。
買えなかったものは、次に持ち越せます
買い切れずに終わった控えは、消えません。持ち越せば手元に残って、続きから使えます。
完了するかどうかは、こちらが決めます。アプリが勝手に終わらせません。
これは、買えなかった理由が一つではないからです。
売り切れていたのかもしれないし、
「よく考えたら要らなかった」のかもしれない。
それをアプリが決めるのは、おかしいと思いました。
使う日まで、寝かせておけます
来週の旅行の持ち物を、今日のうちに作っておけます。
作った控えは、使う日までそのまま置いておけます。
思い出すたびに足したり外したりして、出かける日にそのまま使えます。
ホームの一覧には「作成中」「使用中」「使用済み」と出るので、どれが途中かも迷いません。
(2026-09-08 追記)以前はここに「一時保管」という専用の置き場がありました。v1.2 でやめた理由は別に書きました → 置き場所を増やしたら、かえって迷った
出発日が近くなったら「これを始める」を押せば、そこから使えます。
これはこの機能が無かったせいで自分が困って、後から足したものです。
最初の版では控えの終わりが「完了」しかなくて、
すぐ終わらせないといけない構えになっていました。
来週の旅行の荷物は、まだ全部は決まっていないのに。
今日の分だけを取り出す手順は、別に書きました。
人に頼むときは、そのまま送れます
できた控えを、LINE やメッセージでそのまま渡せます。
相手はこのアプリを入れなくていい。
受け取った側には、ただの買い物リストとして読めるテキストが届きます。
これは無料版でも使えます。
頼む相手にアプリのインストールを要求するのは、頼み方として無理があると思いました。
スーパーで iPhone を出したくない
売り場で片手に買い物かごを持って、
もう片方でポケットから iPhone を出して、リストを見て、しまう。
これを品物のたびに繰り返すのが、けっこう面倒でした。
Apple Watch で、進行中の控えを開いてチェックだけできるようにしました。
手首を見て、時計の画面をタップするだけです。
(これは Pro の iCloud 同期が要ります)
名前のこと
前に「たてごと」という縦書きのメモアプリを出しました。竪琴から採った名前です(縦の言葉って意味もありますが)。
今回は「目録」。どちらも古風な日本語です。
正直に言うと、検索には弱い名前です。
「目録」は婚礼や武道の言葉として使われることのほうが多いし、
「Mokuroku」は英語圏で何の意味も持ちません。
分かった上で選んでいます。自分が呼びたい名前のほうがいい、というだけの理由です。
無料版と Pro
上に書いた機能は、無料版で全部使えます。 書き出しも、人に送ることも。
ただし無料版には画面の下に広告が出ます。
Pro(買い切り)で解けるのは2つだけです。
- 広告が出なくなる
- iCloud 同期。iPhone と Apple Watch で控えを同期できる
目録と控えの中身は、無料版では端末の中だけに保存されます。
Pro の iCloud 同期を使うと、あなた自身の iCloud 経由で端末間を同期します。
私(開発者)が中身を受け取ることはありません。広告にも使いません。
さいごに
これは、私のわがままを叶えるために作ったアプリです。
「買い物リストはもうある。今日買うのはそのすべてではない」
「法事の旅行には、ふだん持っていかないものが要る」
こういう具体的な困りごとから始めたので、
万人向けの完璧な買い物リストアプリにはなっていません。
売り場順に並べ替えてほしい人には、そのためのいいアプリが他にあります。
でも同じところで困っている人には、たぶん、そのまま効きます。
iOS 18 以上。日本語・英語・韓国語・中国語(繁体字/簡体字)。


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