ちょっと前に映画「スティーブ・ジョブズ」を観に行きました。
いつもの新宿ピカデリーでは上映していなかったので、TOHO シネマズ新宿です。
アシュトンカッチャーの方もビデオで見ていましたが、あまり印象に残っていません。
今回の作品は、監督がダニー・ボイルとのことで、前評判も良かったので期待していました。
結果としては、「何を描きたかったのか、よくわからない」。
観た日にすぐにこれを書かなかったのは、自分の中でどう評価していいのかがわからなかったため。
伝記や今までの様々なニュースを読んだり聞いたりして、ジョブズ氏の生い立ちやApple社創設から退社。
そして復帰後の活躍ぶりはそれなりに知っています。
昔日本でもMac Worldが開催されていた時、ジョブズ氏の基調講演を聞きに行ったこともあります。
最近のジョブズ氏のことしか知らない世代では「すごい経営者」、若い時代を知っている人は「ちょっと変わった人」というイメージがあるかと思うのですが(勝手に決めつけてはいけませんが)、この作品はその「ちょっと変わった人で、わがままで、傲慢な人物」の部分だけを取り出して、延々とストーリーを描いているという印象です。
ジョブズ氏のことを多少なりとも本やインターネットで知っていると、「そうそうこんなこともあったんだよねー」と思いつつも、映画では描かれていないその後の活躍や失敗を自分の頭の中で再構成してしまうのですが、最後まで変人、わがままぶりが炸裂していて、そのまま終わってしまいます。
スカリーにNewtonを止めた理由を「スタイラスだ」というシーンもありますが、iPhoneの発表時の基調講演を知っていないとあのセリフの意味が伝わってこないでしょう。
ジョブズ氏のことを何も知らない方が、初めてこれを見ると、「ずいぶんひどい人物だったんだなあ」という印象しか持たないでしょう。事前知識がないと意味がわからないし、知っているとなぜダークサイドばかり強調する?という、誰のための作品なのか、よくわかりません。
製品の発表イベントになると、なぜかいつもLisaとその母親が登場し、言い争いになるのも不自然です。
「スティーブ・ウォズニアックが絶賛した」というニュースも流れているので、映画の中で出てくるウォズの発言は本物に近かったのかもしれません。
アカデミー賞本命などとも言われていましたが、とてもそこまでの作品とは思えませんでした。
興味ある方はどうぞ、という印象です。