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「スポットライト 世紀のスクープ」を観てきました

今年のアカデミー作品賞を受賞したことでも話題になった「スポットライト 世紀のスクープ」を観てきました。

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アメリカ合衆国のボストンで、カトリック教会の聖職者によって児童に対する性的虐待が行われており、その事実を教会の上層部が知っていたにもかかわらず、問題の発覚を恐れて、当該聖職者を別の地域に異動させるなどしたため、かえって被害が広がってしまったことを、現地の地方紙であるボストン・グローブ紙がスクープした実話を映画化したものです。

キリスト教社会であるアメリカ合衆国でこのような事件が起きたことは、アメリカ社会で大きな衝撃を与えたことは想像に難くありません。

宗教に寛容な日本人からすると、アメリカやそれ以降に発覚するその他のキリスト教国での衝撃を同じように感じることは難しいかもしれません。

「この作品がアカデミー作品賞?」という意見も一部にはあるようですが、現地での評価と日本人が考える評価とは自ずと違ってくると思います。

この事件への対応を批判された当時の教皇ベネディクト16世が辞任に追い込まれますが、自らの意思によって教皇を辞任するのは、なんと598年ぶりとのこと。

事件の衝撃がよくわかります。

この地方紙によって虐待の事実が暴かれた司祭は、その後収監されたものの、なんと他の受刑者による暴行で死亡しています。地元の人々の怒りは相当なものだったんでしょうね。

作品の最後に、今回の作品で取り上げられた事件後に発覚した聖職者による虐待があった教会は、世界的規模で広がっていることも判明していて、調べてみると地位を追われた聖職者の一部は発展途上国に赴任して同様の事件を起こしている例もあるようです。

結構根深い問題なのですね。

万人受けする作品ではないかもしれませんが、報道のあり方を考える上でも見てよかったと思える作品です。

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